法窓小話

乱筆乱文にて失礼致します

無期刑に関してとりとめもなく一言,二言

先日,「無期懲役刑の受刑者が昨年末段階で,戦後最多の1796人になった」こと,「昨年1年間に初めて仮釈放された無期受刑者は7人で,その7人の平均受刑期間は35年3カ月と戦後最長だった」ことを報じる記事がありました。

無期受刑者:1796人、戦後最多 受刑期間も長期に 「終身刑」化進む−−昨年末 - 毎日jp(毎日新聞) 無期受刑者:1796人、戦後最多 受刑期間も長期に 「終身刑」化進む−−昨年末 - 毎日jp(毎日新聞)

 仮釈放に関しては,刑法28条が「無期刑については十年を経過した後」と規定しています。ところが,上記記事を見ても分かるとおり,実際の運用としては,その数倍の年月がかかっています。刑法の定めと運用とがここまでかい離している事態は早く解消した方がよいだろうと思われます。そうはいっても,このような事態はすでに10年以上続いているのが現状です。このような運用は,いわゆる厳罰化*1の流れの中で行われているものです。


 上記記事に書かれているような無期刑の「終身刑」化は,厳罰化の現象が続く限り今後も続くでしょう。


 死刑存廃論の中で,時折,ことさらに無期刑を軽視して議論する方がいますが,だいたいは誤解に基づいていると見受けられます*2
 原発安全神話はいまや崩壊したといっても過言ではないですが,厳罰化という神話の方はなかなか難しいですね。

*1:とりあえず,ここでは,被害者保護や「体感治安」の悪化,自己責任論等を要因とする宣告刑の重量化,仮釈放運用の厳格化の傾向を念頭に置いています。

*2:いったいいつの時代の話をしているんだろうと思ったり思わなかったり。