法窓小話

乱筆乱文にて失礼致します

憲法無効確認請求事件判決

憲法無効論 - Wikipedia
現行憲法を無効であるとみる立場です。学説上ははほとんど顧みられていません。

今日,たまたま憲法の無効確認を求めて訴えを提起したもの*1を発見したので,メモとしてここに載せておきます。
事案としては「直接最高裁判所に憲法無効確認請求の訴状が提出された」ものです。原告が主張する憲法の無効原因は,(1)「現行憲法は占領軍司令官が命令して旧憲法を変更したもので陸戦法規に反する」,(2)「明治憲法は現行憲法のような民約憲法を許しておらず,明治憲法の改正手続によって制定された現行憲法は無効である」などのようです*2

結論としては却下判決ですので,裁判所は無効原因の存否については全く判断せずに門前払いしています。

       主    文
本件訴を却下する。
訴訟費用は原告の負担とする。

       理    由
原告提出の訴状によると,本訴は日本国憲法の無効確認を請求するものと解されるところ,裁判所の有する司法権は,憲法76条の規定によるものであるから,裁判所は,右規定を含む憲法全体の効力について裁判する権限を有しない。従って,本件訴訟は不適法であってその欠缺を補正することができないものであり,またこれを下級裁判所に移送すべきものでもないから,却下を免れない。
 よって,民訴法202条,89条に従い,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

*1:最三小判昭和55年5月6日

*2:判例タイムズ419号72頁