法窓小話

乱筆乱文にて失礼致します

「条例と地方議会」雑感

今年初めての記事となります。今後も細々とやっていきたいとおもいます。

Togetter - 「河合幹雄先生による「と条例と『性犯罪者にGPS発信機』の共通点」 #kisei」 Togetter - 「河合幹雄先生による「と条例と『性犯罪者にGPS発信機』の共通点」 #kisei」を見て思ったことを少し。

宮城県知事が性犯罪前歴者やドメスティックバイオレンス(DV)加害者の行動を警察が監視することを可能にする条例を制定することを表明しています*1

しかし,この手の「犯罪抑止」政策は,前歴者等の移動・行動の自由を大きく制約し,更生を阻害する割に,実際の犯罪抑止効果はそれほどありません。まあ,僅かにでも効果があることはあるんでしょうが,費用対効果を考えると,無駄なのではないかなと思います。


さて,上のまとめでは,二つの方向からこの条例制定の動きの問題点を挙げています。

一つは,宮城県知事が制定しようとしている条例の中身それ自体の問題です。
もう一つは,このような条例を審議する地方議会がまともに機能していない(ように見える)という問題です*2


以下では,市町村レベルの地方議会を念頭にして書きます。

現在の地方議会が条例・予算をきちんと審議し行政を監視しているかと考えると,本来期待されるべき機能は果たしていないと思います。その原因は個々の議員にもありますが,その他に日本の地方議会が全うに機能するための仕組みが弱いのではないかと考えています。

市町村の議員には基本的に秘書がいません。秘書を雇うほどのお金がないからです。そのため,情報収集や条例立案をするには個々人で動くしかありません。
首長は条例制定権を持っており,条例を作るための情報の多くは行政が握っています。専門的な知識も行政の方が詳しいと思います。ましてや行政は組織です。それに対抗して個々の議員ができることは限られています。地方議会にも政党はありますが,個人の力量不足を補うほどのものではないでしょう。

地方議会の話題になると,議員は仕事をしていないから議員定数削減または歳費削減という話しか聞かないんですが,それだけでなく議会としての体制をどう強化していくかという議論も必要なのではないかと思っています。個人的には,議会で専従のスタッフを雇って,衆議院・参議院の法制局のように情報収集や条例立案を補佐する方法を考えています。


正直,個々の地方議員のレベルが高いとはお世辞にも言えません*3。しかし,今後地方分権が進み,掛け声だけ目立って,中身がろくでもない首長が増えても,議会に力がなければ防波堤たりえません*4地方自治を考えるにあたりどうすれば地方議会がまともになるのかという議論も進んでほしいと思います。

*1:[http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110123-00000001-khk-l04:title=河北新報の記事]

*2:さらに,万が一条例が制定されて,争いが裁判所に持ち込まれたとしても,司法によるチェックが機能しないのではないかという問題がありますが・・・

*3:選挙前だけ広報のビラや葉書が来るのは一番腹立たしい

*4:現在の仕組みでも,有権者から議員への突き上げにより暴走する首長への牽制にはなるとは思いますが,持続性の面では難しいのではないかと思います