法窓小話

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政教分離違反判決に関する感想

先日、市有地を無償で神社に使用させることは、政教分離違反になるとの判決が最高裁で出されました。

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今回の判決は、

  • 市と神社(神道)との関わり合いが信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当の程度を超えたと判断した点
  • 違憲状態の解消方法があるということを示した点

の二点において妥当なものであったと思います。


今回の神社のように市有地に建っているものって結構多いようですね。おそらく、それらの多くが旧くからのムラの鎮守としての性格があるのだろうと思います。そこでの祭祀も現在では、宗教的な側面と世俗的な側面が混合してしまったものが大半でしょう(宗教的側面はほとんど希薄化しているか)。よって、「政教分離違反」の単語に対して、これは「宗教」ではないのだよ、習俗であり伝統であり文化なのだよという意見もままあるでしょう。

例えば、このような意見

政教分離に関する緩やかな憲法解釈が求められるのは、地域社会に伝わる行事や文化がその地域の伝統的な宗教と密接な関係にあるからだ。

MSN産経ニュース 2010年1月21日より抜粋

しかし、「市が市有地を神社に無償で使わせること」と「地域社会に伝わる行事や文化がその地域の伝統的な宗教と密接な関係にある」ことは関係ありません。この判決は、地域社会に伝わる行事や文化は宗教と密接に関係してはいけないことを示したのではなく、市が宗教的中立性を侵して、過度にかかわり合いをもった点をもって政教分離違反としたのです。市有地の上に神社がなければならない必然性はありません(むしろ、市有地では他の人の信教の自由を考える点で問題です)。私有地の上でもいいのです。

あと、このような意見は地域の伝統や文化の担い手は市ではなく地域住民である点を看過しているように思われます。


以上、まとまりのない感じになってしまいましたが、今回の判決に関する思索といたします。


では、また。